福音書研究
1、なぜ 新約聖書 頭の四冊は「福音書」と言って、「イエス伝」とか「キ
リスト伝」と言わないですか。
イエスの生涯は紹介されますが、この四つの書物の中心的なメッセージはただ歴史と伝記を伝えるのではなく、福音であるから。
2、主イエスのご降誕そのもの出来事は、どの福音書のどこに記されてい
ますか。
マタイ1:18~2章
ルカ1章~2章
マルコとヨハネにはこの奇跡は紹介されていません。
3、四福音書のどれにも記されている出来事は、何と何と何ですか。
十字架にて死なれたことと復活されたことです。
4、受難週の出来事について最も多くのページを費やして記しているのは、どの福音書で、全体のどのくらいを費やしていますか。
ヨハネの福音書は約半分、受難週について書かれています。
5、主イエスが公の働きに入れられる時、経験された二つの出来事は何と何
であり、それが意味していることは何ですか。
洗礼と試みです。
洗礼について、イエス自身に罪がなかったが、「すべての正しいことを実行するのは、わたしたちにふさわしいのです」という発言によりイエスがその後救われる人のために、父なる神の御心に従い受けました。ヘブル2:17 「そういうわけで、神のことについて、あわれみ深い、忠実な大祭司となるため、主はすべての点で兄弟たちと同じようにならなければなりませんでした。それは民の罪のために、なだめがなされるためなのです。」
そして洗礼を受けた後、ヨム・キプルのアザゼルのためのヤギ(レビ16:10)のように荒野に行って、試みを受けました。その試みはイエスに対して、十字架ぬきの救い主の誘惑を表しています。
6、主イエスの公の働きの最初のことに付いて記している福音書はどの福
音書で、それはどのような出来事ですか。
ヨハネの福音書です。その最初の4章までは弟子を集めて、水を葡萄酒に変えて、律法学者を批判したり教えたりして、そのほかに預言と奇跡をなされました。
7、主イエスがよく祈っておられたことに付いて記しているのは、どの福音
書で、具体的にどこで祈っておられることを記していますか。
ルカ5:16 5:16 しかしイエスは、寂しい所に退いて祈っておられた。
例えば、具体的な例を挙げると、山に行ったりしました。
ルカ6:12 このころ、イエスは祈るために山に行き、神に祈りながら夜を明かされた。
8、主イエスが十字架上で発せられた七つの御言葉に付いて記し、その中で
最も重要な事を表している御言葉はどれですか。どうして重要なので
すか。
1. 赦しの言葉
ルカ23:34「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです。」
2. 救いの言葉
ルカ 23:43「まことに、あなたに告げます。あなたはきょう、わたしとともにパラダイスにいます。」
3. 絆の言葉
ヨハネ19:26-27「母上、ここにあなたの子が」、「ここにあなたの母上が」
4. 人類の孤独感の同感の言葉
マタイ27:46「わが神、わが神。どうしてわたしをお見捨てになったのですか。」
5. 人類の苦痛の同感の言葉
ヨハネ 19:28「わたしは渇く。」
6. 贖いの勝利の言葉
ヨハネ19:30 「完了した。」
7. 神の主権を信頼する言葉
ルカ23:46「父よ。わが霊を御手にゆだねます。」
この中でもっとも重要なことを表している箇所は私に決めることができません。どれもが救いに必要不可欠な要素と思います。一番必要性が問われると思われる「絆の言葉」でも、私たちの信仰のあゆみと救いは決して一人で受けて、自分一人で体験していくものではないことを表しています。一人中心の信仰を強調した福音の教えは、救われていると思った人においてプライドとなって、多くの人を躓かせることになっています。
9、主イエスは何人かの人を生き返らせておやりになりました。それは、誰
ですか。
① ヤイロの娘(マルコ5:22~43)
② ナインという町のやもめの息子(ルカ7:11~15)
③ ラザロ(ヨハネ11:1~44)
10、生き返りと復活とは同じですか。それとも違いますか。違うとしたら、
どのように違いますか。生き返らせたことの意味は何ですか。
三省堂の辞典で日本語の意味を調べました。
日本語において、「復活」の最初の定義として出てくることは「生き返る」だそうですので、日本語の意味においては同じと思われます。
ギリシャ語では主に2つの単語があります。「ἀνάστασις」(ἀνά=再び+ἵστημι=立つ)と「ἐγείρω」(目覚める)になります。どちらの言葉も、①イエス様についても、②未来の信者の復活についても、また③イエス様が生きている間に生き返った人についても使われていますので、大きな違いはないかと思われますが、ニュアンスの響きは(日本語の「死ぬ」と「亡くなる」のように)後方はやさしい言い方に聞こえると思います。