ギリシャ語 統語論
BibleHubの文法
品詞
Part of Speech
V - Verb 動詞
N - Noun 名詞
Adv - Adverb 助詞
Adj - Adjective 形容詞
Art - Article 冠詞
DPro - Demonstrative Pronoun (この・その)
IPro - Interrogative / Indefinite Pronoun (どの?だれ?など・一部の)
PPro - Personal / Possessive Pronoun 個人代名詞
RecPro - Reciprocal Pronoun (お互いに)
RelPro - Relative Pronoun 関係代名詞
RefPro - Reflexive Pronoun (自分自身)
Prep - Preposition 前置詞
Conj - Conjunction 接続詞
I - Interjection 感嘆詞
Prtcl - Particle 小詞
Heb - Hebrew Word ヘブライ語の単語
Aram - Aramaic Word アラム語の単語
動詞の分析
Person 人称
1 - 1st Person
2 - 2nd Person
3 - 3rd Person
Tense 時勢
P - Present 現在形
I - Imperfect 未完了形
F - Future 未来形
A - Aorist アオリスト
R - Perfect 完了形
L - Pluperfect 過去完了形
Mood 法
I - Indicative 直説法
M - Imperative 命令法
S - Subjunctive 仮定法
O - Optative 願望法
N - Infinitive 不定法
P - Participle 分詞法
Voice 態
A - Active 能動態
M - Middle 中動態
P - Passive 受動態
M/P - Middle or Passive 中・受動態
名詞の分析
Case 格
N - Nominative 主格
V - Vocative 呼格
A - Accusative 目的格
G - Genitive 属格
D - Dative 与格
Number 数
S - Singular 単数
P - Plural 複数
Gender 性別
M - Masculine 男性
F - Feminine 女性
N - Neuter 無性
Comparison 比較
C - Comparative より(-er)
S - Superlative 最も(-est)
※英語が分かる方、是非ともWallace先生のGreek Grammar beyond the Basics: An Exegetical Syntax of the New Testamentを購入してください。細かい説明とより多くの例などがあります。ギリシャ語の勉強を通して願っていることは
愛に根ざし、愛に基礎を置いているあなたがたが、すべての聖徒とともに、その広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解する力を持つようになり、人知をはるかに越えたキリストの愛を知ることができますように。こうして、神ご自身の満ち満ちたさまにまで、あなたがたが満たされますように。
エペソ3:17b~19
ギリシャ語の名詞と形容詞
名詞などの格形をとる単語は新約聖書の約14万語中、約8万語あります。その内訳:
主格 24,618語
属格 19,633語
与格 12,173語
目的格 23,105語
呼格 317語
主格(Nominative)の使い方
主語
日本語例)神は愛なり。
例)ヨハネ3:16、ヘブル11:8、ローマ6:4、使徒1:7、エペソ5:23
主語は動詞の【態】によって、影響するか影響されるかが変わります。
ギリシャ語は動詞に主語を表すので主語はない場合がある。
また、動詞が通じる場合などに、ギリシャ語は動詞を省略する場合がある。述語名詞
日本語例)神は愛なり。
例)ヨハネ1:1、マタイ3:17、ヨハネ4:24、ヤコブ5:17、1ヨハネ4:8
述語名詞とは、主語と(ほぼ)同じである意味を示す。より正確に、<主語>は<述語の類>の一つであることをしめすことが多い。
※主語と述語名詞の見分け方:主語は①代名詞の方②冠詞がある方③固有名詞の方。
「ειμι」「γινομαι」「υπαρχω」などが書いていなくても省略してあると察する。同格関係
日本語例)私、クリスは日本語が好きです。
例)マタイ3:1、マルコ15:40、ルカ1:24、黙示録1:5
同じ人などに対して、言い回しを変えて、情報を追加する使い方。絶対的主格
日本語例)ゼルダの伝説
例)マタイ1:1、黙示録1:1、ローマ1:1、ローマ1:7
見出し、タイトル、挨拶文など、文書の主語にならない主格。懸垂的な主格
日本語例)初恋の人、私はその人と結婚したいです。
例)黙示録3:12、ヨハネ7:38
文書の主語を特定するが、文の中で代名詞を使う。この使い方は主語のアイデンティティを強調したり、感情を表す。呼格としての主格形
日本語例)主よ、来てください。
例)ヨハネ17:25、ローマ1:13、マルコ9:19
コイネーギリシャ語は呼格の形が主格とかぶったりしていて、2次言語として使われてきていたところ、実際に呼格がある言葉に対しても主格形を呼格として使われた事例が多くあります。その他
主格形の単語はまれに他の使い方はまだあります。主格はデフォルトになるので、引用されたことばや、別の文脈の言葉を表したりするとき、主格じゃないはずのところに主格があることはある。このことを不思議に思われたことが多かったので、このところをなおした写本で原文相違がよく起こりました。
呼格(Vocative)の使い方
呼びかけ
日本語例)エリヤ先生!元気?
例)ルカ4:23、マタイ15:28
「ὦ」が前に来ると強調的や感情的に言っているのが分かる。(ただし、「使徒の働き」では、「ὦ」があっても、強調的や感情的ではなく、より正式的な古いギリシャ語に真似ている。使徒1:1)感嘆な呼びかけ
日本語例)バカ目!
例)ローマ2:3
属格(または所有格、Genitive)の使い方
属格は一番ニュアンスの幅が広い。神学的な深いところはよく、見ている文書の中で、この属格の使い方を特定することにあります。これから、日本語で読んでも、「の」にこれらの事をはめてみて、より明確に著者が言いたかったのは何か、考えてみよう。例えば、2コリント5:14「キリストの愛は私たちを縛ります」でやってみよう。。。
属格
日本語例)救いの日
注意)ほかの区分にはまらない時に簡単に「の」になります。また、複数の意味がはまるなら、ここに落ち着くでしょう。しかし、属格にする前に、まず良く考えるべきです。所有格
日本語例)私の本。
ポイント)「~が所有する~」、「~に属する~」
例)マタイ26:51、ヨハネ20:28、1コリント1:12関係の属格
日本語例)クリスの娘[である]セラ
ポイント)家族の関係を表す言葉が省略されているか?「~の父、~」、「~の息子、~」、「~の妻、~」
例)マタイ20:20、ヨハネ21:15、ルカ24:10部分属格
日本語例)ピザの半分を分けてください。
ポイント)「~の一部である~」
例)ルカ19:8、ローマ11:17
?)エペソ4:9形容属格
日本語例)ハイブリッドの車
ポイント)「~的な~」や「~な~」のように変えることができるかどうか。形容詞を使うより形容属格の方が強調的です。
例)ルカ18:6、ローマ8:21、1テモテ1:17受け身属格
日本語例)神の力の偉大さ
ポイント)属している名詞が形容詞になれそうなら、受け身属格の可能性が高い
例)ローマ6:4、1ペテロ1:7
?)エペソ1:17素材の属格
日本語例)大理石のカウンター、麦わらの帽子
ポイント)「~からできている~」。属している名詞は何でできているかを明確にする。
例)マルコ2:21内容属格
日本語例)ガスのボンベ、石油のタンカー
ポイント)「~が入っている~」。中身を示す。「~で満たされた」でよく使われる。
例)ヨハネ21:8、ヨハネ6:13、使徒5:17
?)使徒2:4同格関係の属格(また、簡単同格)
日本語例)栄の町(弊社の社長の鈴木を紹介いたします)
ポイント)「~という~」
具体的→区分 エジプトの地
現実的→比喩的 義の胸当て
(簡単同格とは「~である~」)
例)ルカ22:1、ヨハネ2:21(エペソ1:2)
?)エペソ4:9方向属格、理由属格
日本語例)上京の道、サラダのフォーク
ポイント)「~に向かう~」、「~のための~」
例)ローマ8:36、ガラテヤ2:7
?)ヨハネ5:29、使徒16:17述語属格
日本語例)ゆきちの松本万慶
ポイント)「~と呼ばれる~」と動詞で組み合わせていることが多い。簡単同格との違いは、属している名詞について、何かを主張しています。
例)エペソ2:20、ヨハネ4:9支配属格
日本語例)愛知の知事、海賊の王
ポイント)「~の上に立つ~」、権威関係を表す「の」
例)マルコ15:32、マタイ9:34
?)コロサイ1:15乖離属格
日本語例)ユーチューブの断食、牢屋の釈放
ポイント)「~から[離れる]~」。属格の一つの根本的な意味です。(与格(根本的「へ、に」)の逆)
例)マタイ10:14、エペソ2:12、1ペテロ4:1比較属格
日本語例)その看板サイズの小さいなポスター
ポイント)「~よりも~」。ギリシャ語の比較文は属格を用います。これも乖離属格のニュアンスの一つ。多くの場合どのような比較かを表す言葉も文章にある。
例)マタイ6:25、ヨハネ20:4
?)エペソ4:9主的助詞属格
日本語例)私の到着時間
ポイント)「~が~する・した」
例)マタイ24:27、ローマ8:35
?)ローマ3:22、エペソ3:12中態助詞属格?
?)黙示録1:1数量属格
日本語例)1万円の買い上げ
ポイント)「~に値する~」、「~分の~」
例)ヨハネ6:7時間属格
日本語例)①週の二日休み ②昼の来客 ③子供の夢
ポイント)①「~の内~」(時間の種類)②「~の時の中での~」(いつ?)③「~の時からの~」(期間の始まり)
例)ルカ18:12、マタイ2:14、マルコ9:21方法の属格
日本語例)自転車の移動
ポイント)「~による~」
例)ピリピ2:8特定前置詞の属格
ポイント)前置詞と属格の組み合わせによって、前置詞の意味が変わる場合がある。ギリシャ語の文法のテキストを確認してください。
与格(Dative)の使い方
基本的な意味は「に」に近いです。その与格の使い方は多くありますが、属格と比べて、比較的に特定しやすいです。
間接目的語の与格
日本語例)女子高生は男性に愛を告白する。彼は彼女に愛を告白される。
ポイント)能動態だと<間接目的語>は<目的語>を受ける。受け身だと<間接目的語>は動詞のアクションをする方。
例)ヨハネ4:10有利・不利の与格
日本語例)
ポイント)「~にとって有利・不利に」、「~のために」など
例)マタイ23:31、1コリント6:13視点の与格
日本語例)
ポイント)「~の視点からみて」、「~において」など
例)ローマ6:2、使徒16:5目的地の与格
日本語例)東京に行く。
ポイント)「~へ行く」、「~に来る」など
例)マタイ21:5、ルカ7:12宛先の与格
日本語例)お母さんに。
ポイント)「~あて」
例)使徒23:26、ピリピ1:1所有・属性与格
日本語例)彼に多くのものがある
ポイント)属格に文を変えれる。
例)ヨハネ1:6、使徒2:43述語与格
日本語例)
ポイント)「~である~」(ειμιの分子形と使うことが多い)
例)使徒24:24同格関係与格
日本語例)東京に、首都に生きます。
ポイント)同じものを繰り返す。
例)ルカ1:47範囲・場所の与格
日本語例)力に成長した。
ポイント)「~の範囲・面において」、「~に関して」
例)マタイ5:3、ルカ3:16時間の与格
日本語例)11時に集会があります。
ポイント)「~の時に」、「~の際に」など
例)マタイ17:23、ガラテヤ6:9従順の与格
日本語例)標識に従って運転します。
ポイント)「~に沿って」、「~の定めに」、「~の通りに」など
例)使徒14:16、ルカ6:38
?)ガラテヤ5:16共同(?)の与格
日本語例)
ポイント)「~と一緒に」
例)エペソ2:5、2コリント6:14
×)ローマ8:16方法の与格
日本語例)大胆に進みます。
ポイント)どのように?の答え
例)1コリント10:30、ピリピ1:18手段の与格
日本語例)
ポイント)「~を用いて」
例)マタイ8:16、ヨハネ11:2、ピリピ4:6主語的の与格
日本語例)先生に教えてもらった。
ポイント)動詞が受け身で、実際に行動するのはこの与格名詞。新約聖書には非常にレア。
?)ガラテヤ5:16程度の与格
日本語例)さらに大きいなもの
例)マルコ10:48、ピリピ1:23原因の与格
ポイント)「~のゆえに」
例)ローマ4:20、ピリピ1:14同語源(同種)の与格
日本語例)待ちに待った
ポイント)動詞と同じ意味を持って、強調する
例)ルカ22:15、1ペテロ1:8素材の与格
日本語例)墨に書く
例)ヨハネ11:2、ヘブル2:7直接目的語の与格
日本語例)先生に感謝する
ポイント)特定な動詞に、目的格の「~を」を使うことはなくて、与格を用いる。
例)マタイ14:33、黙示録22:9その他
特定な言葉の組み合わせはあります。特に、前置詞と与格での特定の使い方。
目的格(Accusative)の使い方
目的格の最も多い使い方は目的語(「~を」)ですが、新約聖書より前のギリシャ語だと、使い方が一番広かった形です。コイネー・ギリシャ語の使い方を見てみよう。
直接目的語の目的格
日本語例)私はパンを食べます。
ポイント)動詞のアクションで影響を受けるもの。「~を」与格的な目的格
ポイント)特定の動詞は、間接目的語(だれに?の答え)も目的格で表記します。
形容詞の使い方
形容詞は属する名詞と同じ【①格、②性別、③数】になります。
冠詞がある場合とない場合、また順番が大切です。
ギリシャ語の冠詞と代名詞
冠詞
冠詞は新約聖書の約14万語中、約2万語あります。すなわち、7語に一つは冠詞です。冠詞は英語の「the」の由来ですが、ギリシャ語の冠詞は英語の冠詞よりも、多くの働きがあります。大きく分けると、冠詞は①何でもを「名詞化」する→②その中で場合によって、名詞化したものに対してさらに「名づける」ことや、「主格化」する機能もあって→③そして最終的に英語の「the」のように「特定」する機能もあります。特定しようとしている程度、言い換えたら、【ピントを合わせる】程度は数段階があって、焦点を当てていくことがギリシャ語の冠詞の基本的な意味を覚えましょう。
焦点) 不定?→①名詞化→②主格化→③特定
※冠詞がなくても特定である場合もありますので、ないからと言って不定ではなく、ただ、あると焦点を当てる方向性があります。
このたった24語を完全に覚えたら、聖書の1割以上だけではなく、まだ分からない単語について多くの情報が分かり、文書を解くカギになることは多くあります。ギリシャ語の冠詞は名詞の【①格、②性別、③数】と合わせます。
冠詞の使い方
代名詞として
例)ヨハネ4:32、使徒16:31、1コリント7:7関係代名詞として
例)マルコ11:30属格的冠詞
例)エペソ5:25特定する冠詞
例)ルカ4:20前方照応の冠詞 (後方照応も)
例)ヨハネ4:10-11直示的冠詞(「この」、「その」、「あの」)
例)ヨハネ19:5最上級の冠詞
例)ヨハネ1:21、黙示録1:5、ローマ1:16唯一の冠詞
例)ヨハネ1:29知名度の冠詞
例)マタイ13:55
?)使徒2:42抽象名詞との冠詞(名づける程度)
例)マタイ7:23一般冠詞(「~を類として」)
例)1テモテ3:2、黙示録2:11名詞化の冠詞(~のもの)
例)コロサイ3:2、マルコ6:7、1コリント14:16文法的な機能を特定するため
*外来語などの名詞がギリシャ語の格の形を取らない時、冠詞をつけることで、属格や与格を与えることができる
例)ルカ1:68冠詞のない名詞?
不定? 性質? 特定?
代名詞
代名詞は冠詞のように限られた数の形だけで、新約聖書の約14万語中、約16,700語にもなります。その種類は下記の通り: