コイネー・ギリシャ語 アルファ・ベータ

Α α, Β β, Γ γ, Δ δ, Ε ε, Ζ ζ, Η η, Θ θ, Ι ι, Κ κ, Λ λ, Μ μ, Ν ν, Ξ ξ, Ο ο, Π π, Ρ ρ, Σ σ/ς, Τ τ, Υ υ, Φ φ, Χ χ, Ψ ψ, Ω ω

発音は?「エラスムス系」か「現代ギリシャ語」か「古代ギリシャ語」?

現代ギリシャ語では「β」は英語の「B」ではなく「V」の発音するなど、音がずれている。聖書ギリシャ語を勉強するとき、15世紀のギリシャ語学者デジデリウス・エラスムスが考えた発音系を使うことが一般的である。それは、実際の古代ギリシャ語の発音でもなく、現代ギリシャ語でもなく、それぞれの文字や二重母音 (diphthong)に独自の音をもたらしたものにして、学術的に扱いやすいものとなっています。しかし、現代ギリシャ語に比べては硬くて、人工的な発音と指摘して、現代ギリシャ語の発音を進める人もいるし、また実際の古代ギリシャ語の発音を復活しようとする人もいる。このようにいろいろな意見があるため、日本人がコイネ・ギリシャ語を勉強するとき、発音を気にしないで、自分にとって勉強しやすい方でいいと思う。なので、「Χ」は正確にのどの奥から作る必要がなく、「カキクケコ」で問題ない。二重母音についても、難しく考えないで、日本語のように母音を順番にそれぞれ発音してもいい。

上記の文字を覚えたらあと一つだけ、「ハヒフヘホ」の音をつくる「有気記号」がある。頭文字が母音の場合、「」があるとき「ハヒフヘホ」になる。向きが反対の「無気記号」(᾿)の場合は本来の「アイウエオ」のままになる。小さくて見にくいので注意が必要であるが、これだけの違いで違う意味の単語になる。

「ギリシャ」か「ギリシア」?どんなギリシャ語?

どちらもあるようですが、外務省は現代の国に対して「ギリシャ」で統一しています。当ページで「ギリシャ」に統一していきたいと思います。

また、聖書で利用されているのは、現代ギリシャ語でも、古代ギリシャ語でもなく、当時では国際的な「共通ギリシャ語」です。共通と言う言葉は「コイネー」ですので、共通ギリシャ語のことを指して聖書のギリシャ語は「コイネー・ギリシャ語」です。アリストテレスなどのギリシャ哲学者の古代ギリシャ語と比較して、コイネーは母国語じゃない人達が使っていたギリシャ語なので、文法的にわかりやすく、古代ギリシャ語よりも意味を明確にしているのです。その表れとして、動詞の活用が少なくなっていることや、前置詞の利用が多くなります。新約聖書の著者にも、差を感じることができます。ルカの福音書、使徒の働き、ヘブルの手紙は古代風に書かれていて、学者や権威あるものに向けて、レベルの高い文書の表現を使っています。ヨハネの手紙を始め、ヨハネの福音書などは、庶民的なレベルのギリシャ語で書かれています。コイネーの中でも、コイネー(共通語)です。

参考資料

ニューハート新約聖書ギリシア語小辞典

Future outline:

Alphabet with discussion of type of greek and pronunciation (proper nouns, basic conjunctions)

Simple present and future indicative verbs (a bunch of common verbs, negation, yes) << (like Japanese)

Nominal case, article, genders (greeting conversation?)

Adjectives, sentence structure

Using a lexicon/interlinear tools

Genitive case

Accusative case

Dative case (prepositions)

More and more verbal system… (graduating to reader’s edition)

Syntax proper and text criticism (graduating to NA with apparatus)

コイネー・ ギリシャ語 固有名詞

※ ギリシャ語のほとんどの名詞は文書の役割(主格、目的格、属格、など)によって、最後が変わりますので、文の中で少し違うかもしれない。

発音で分かるものが多くあって、文字の読み方の良い練習になると思います。

新約の固有名詞

  1. イエス Ἰησοῦς

  2. キリスト Χριστός

  3. パウロ Παῦλος

  4. サウル Σαῦλος

  5. マリア Μαρία

  6. ヨセフ Ἰωσήφ

  7. ヨハネ Ἰωάν(ν)ης (書物や写本により、「ν」と「νν」が混雑します)

  8. ペテロ Πέτρος

  9. ケパ Κηφᾶς

  10. シモン Σίμων

  11. ヤコブ Ἰάκωβος

  12. ユダ Ἰούδας

  13. マタイ Μαθθαῖος

  14. マルコ Μᾶρκος

  15. ルカ Λουκᾶς

  16. アンドレ Ἀνδρέας

  17. ピリポ Φίλιππος

  18. バルトロマイ Βαρθολομαῖος

  19. トマス Θωμᾶς

  20. タダイ Θαδδαῖος

  21. バルナバ Βαρναβᾶς

  22. ザアカイ Ζακχαῖος

  23. マルタ Μάρθα

  24. ラザロ Λάζαρος

  25. テモテ Τιμόθεος

  26. テトス Τίτος

  27. ニコデモ Νικόδημος

  28. パラサイ派 Φαρισαῖος

  29. サドカイ派 Σαδδουκαῖος

  30. サンヘドリン συνέδριον

  31. ヘロデ Ἡρῴδης

  32. カイザー Καῖσαρ

  33. エルサレム Ἱεροσόλυμα

  34. ナザレ Ναζαρά

  35. ベトレヘム Βηθλέεμ

  36. カイザリア Καισάρεια

  37. ガリラヤ Γαλιλαία

  38. ヨルダン Ἰορδάνης

  39. アンテオケ Ἀντιόχεια

  40. サマリア Σαμάρεια

旧約の固有名詞

  1. アダム Ἀδάμ

  2. エバ Εὕα

  3. カイン Κάϊν

  4. アベル Ἅβελ

  5. ノア Νῶε

  6. ヨブ Ἰώβ

  7. アブラハム Ἀβραάμ

  8. サラ Σάρρα

  9. ハガル Ἁγάρ

  10. イサク Ἰσαάκ

  11. イスラエル Ἰσραήλ

  12. モーゼ Μωϋσῆς

  13. ダビデ Δαυὶδ

 ギリシャ語 100語

  1. ὁ ホ 【冠詞】 「the」

  2. καί カイ 【接続詞】 及び、と、また、も など

  3. αὐτός アウトス 【代名詞】 彼

  4. δέ デ 「けど」、「また」など

  5. ἔν エン 【前置詞】 「に」

  6. εἰμί エイミ 「Be」動詞

  7. εἰς エイス 【前置詞】 あて、に

  8. οὐ ウ 【否定詞】いいえ

  9. ὅς ハス 【関係代名詞】「that, which, who」など

  10. λέγω レゴ 【動詞】 伝える、言う、意味をする

  11. θεός セオス 【名詞】 神

  12. ὅτι ハティ 【接続詞】 なぜなら、~のゆえ

  13. πᾶς パス 【形容詞】 すべて、皆

  14. μή メ 【否定詞】 (否定の返事を期待する時の)疑問詞

  15. γάρ ガル 【接続詞】 なぜなら

  16. ἔπω エポ 【動詞】 言う、書く、こたえる

  17. Ἰησοῦς イエスース 【固有名詞】 イエス

  18. ἐκ エク 【前置詞】 から

  19. ἐστί エスティ 【動詞】 「εἰμί」の単数第三人称「is」

  20. ἐπί エピ 【前置詞】の上

  21. κύριος クリオス 【名詞】 主

  22. ἔχω エコ 【動詞】 もつ

  23. πρός プロス 【前置詞】 の方向に、近くに、隣に

  24. εἴδω エイド 【動詞】 見る、知る

  25. γίνομαι ギノマイ 【動詞】 なる、おこる

  26. ἵνα ヒナ 【接続詞】 ~が原因で~(in order that)

  27. διά ディア 【前置詞】 を通して

  28. ἀπό アポ 【前置詞】 プロスの反対語、離れて、離れたところに

  29. ἀλλά アッラ 【接続詞】 そのほか、逆に

  30. ἔρχομαι エルコマイ 【動詞】 くる、いく

  31. ὑμῖν フミン 【代名詞】 あなたたちに、あなたたちへ、あなたたちによって

  32. ποιέω ポイエオ 【動詞】 「faire」つくる、する

  33. μοῦ モウ 【代名詞】 わたしの

  34. ὑμῶν フモン 【代名詞】 あなたたちの

  35. τίς ティス 【疑問詞】 「who which what」

  36. ἄνθρωπος アンスロポス 【名詞】 人、人間、男性

  37. τίς ティス 【不定代名詞】 some, any

  38. Χριστός クリストス 【名詞】 キリスト、油注がれた、メッシア

ὡς

ホス

助詞)~のように

εἰ

エイ

もし

οὖν

オウン

ですので

σοῦ

ソウ

(単数)あなたの

κατά

カタ

前置詞)下に

μετά

メタ

前置詞)の中に

οὗτος

ホウトス

単数第三人称の主語形「he, she, it, this」など

ἦν

エン

動詞)was

ὑμᾶς

フマス

代名詞)あなたたちを

ἀκούω

アコウオ

動詞)聞く、聴く(アコースティック)

δίδωμι

ディドミ

動詞)与える

πατήρ

パテル

名詞)父

ἡμῶν

ヘモン

私たちの

ἡμέρα

ヘメラ

日、期間、昼間

πνεῦμα

プニュマ

風、霊、魂、天使、聖霊

υἱός

フィオス

名詞)息子

πολύς

ポルス

形容詞)多くの、多く

ἐγώ

エゴ

私は(強調するためだけ使われる)

ἀδελφός

アデルフォス

名詞)兄弟

もしくは、より

ἐάν

エアン

ならば、の場合に、すると

περί

ペリ

通して、周りに、について、

λόγος

ロゴス

ことば、こと、考え、表示

τοῦτο

トウト

そのものに

ἑαυτού

ヘアウトウ

自分

λαλέω

ラレオ

動詞)話す、言う

μέ

οὐρανός

オウラノス

名詞)空、天

εἷς

ヘイス

μαθητής

マセテス

名詞)弟子、生徒

λαμβάνω

ランバノ

動詞)取る、受ける、握る、持つ

γῆ

名詞)地、土、世

ἐκεῖνος

エケイノス

そのもの

πίστις

ピスティス

信仰

πιστεύω

ピステウオ

信じる

ταῦτα

タウタ

これらのもの

ὑμεῖς

フマイス

あなたを

οὐδείς

オダイス

Noone 一人もなく

ἀποκρίνομαι

アポクリノマイ

答える

ὄνομα

オノマ

名前

μοί

モイ

私に

γινώσκω

ギノスコ

知る

ἅγιος

ハギオス

きよい、聖なる

ὑπό

フポ

ἐξέρχομαι

エケルコマイ

発する、出る、送り出す、逃げる

σοί

ソイ

あなたに

ἀνήρ

アネル

男の人、夫

γυνή

グネ

女の人、妻

μέγας

メガス

大きい

τέ

両方、「も」

δύναμαι

デゥナマイ

できる

θέλω

セロ

選ぶ、好む

οὕτω

ホート

のように

ἰδού

イドウ

みよ!

σέ

あなたを

εἰσέρχομαι

アイセルコマイ

入る

Ἰουδαῖος

イウダイオス

形容詞)ユダヤの

οὐ μή

ウメ

少しでもなく、否定詞に否定詞(否定を強調)

νόμος

ノモス

律法、ルール

παρά

パラ

近く、隣

γράφω

グラフォ

書く

 ギリシャ語 統語論

BibleHubの文法

品詞

Part of Speech

V - Verb 動詞
N - Noun 名詞
Adv - Adverb 助詞
Adj - Adjective 形容詞
Art - Article 冠詞
DPro - Demonstrative Pronoun (この・その)
IPro - Interrogative / Indefinite Pronoun (どの?だれ?など・一部の)
PPro - Personal / Possessive Pronoun 個人代名詞
RecPro - Reciprocal Pronoun (お互いに)
RelPro - Relative Pronoun 関係代名詞
RefPro - Reflexive Pronoun (自分自身)
Prep - Preposition 前置詞
Conj - Conjunction 接続詞
I - Interjection 感嘆詞
Prtcl - Particle 小詞
Heb - Hebrew Word ヘブライ語の単語
Aram - Aramaic Word アラム語の単語







動詞の分析

Person 人称

1 - 1st Person
2 - 2nd Person
3 - 3rd Person

Tense 時勢

P - Present 現在形
I - Imperfect 未完了形
F - Future 未来形
A - Aorist アオリスト
R - Perfect 完了形
L - Pluperfect 過去完了形

Mood 法

I - Indicative 直説法
M - Imperative 命令法
S - Subjunctive 仮定法
O - Optative 願望法
N - Infinitive 不定法
P - Participle 分詞法

 Voice 態

A - Active 能動態
M - Middle 中動態
P - Passive 受動態
M/P - Middle or Passive 中・受動態

名詞の分析

Case 格

N - Nominative 主格
V - Vocative 呼格
A - Accusative 目的格
G - Genitive 属格
D - Dative 与格

Number 数

S - Singular 単数
P - Plural 複数

Gender 性別

M - Masculine 男性
F - Feminine 女性
N - Neuter 無性

Comparison 比較

C - Comparative より(-er)
S - Superlative 最も(-est)

 

※英語が分かる方、是非ともWallace先生のGreek Grammar beyond the Basics: An Exegetical Syntax of the New Testamentを購入してください。細かい説明とより多くの例などがあります。ギリシャ語の勉強を通して願っていることは

愛に根ざし、愛に基礎を置いているあなたがたが、すべての聖徒とともに、その広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解する力を持つようになり、人知をはるかに越えたキリスト愛を知ることができますように。こうして、神ご自身の満ち満ちたさまにまで、あなたがたが満たされますように。

エペソ3:17b~19

ギリシャ語の名詞と形容詞

名詞などの格形をとる単語は新約聖書の約14万語中、約8万語あります。その内訳:

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  • 主格  24,618語

  • 属格  19,633語

  • 与格  12,173語

  • 目的格 23,105語

  • 呼格  317語


主格(Nominative)の使い方

  • 主語
    日本語例)神は愛なり。
    例)ヨハネ3:16ヘブル11:8ローマ6:4使徒1:7エペソ5:23
    主語は動詞の【態】によって、影響するか影響されるかが変わります。
    ギリシャ語は動詞に主語を表すので主語はない場合がある。
    また、動詞が通じる場合などに、ギリシャ語は動詞を省略する場合がある。

  • 述語名詞
    日本語例)神は愛なり。
    例)ヨハネ1:1マタイ3:17ヨハネ4:24ヤコブ5:171ヨハネ4:8
    述語名詞とは、主語と(ほぼ)同じである意味を示す。より正確に、<主語>は<述語の類>の一つであることをしめすことが多い。
    ※主語と述語名詞の見分け方:主語は①代名詞の方②冠詞がある方③固有名詞の方。
    「ειμι」「γινομαι」「υπαρχω」などが書いていなくても省略してあると察する。

  • 同格関係
    日本語例)私、クリスは日本語が好きです。
    例)マタイ3:1マルコ15:40ルカ1:24黙示録1:5
    同じ人などに対して、言い回しを変えて、情報を追加する使い方。

  • 絶対的主格
    日本語例)ゼルダの伝説
    例)マタイ1:1黙示録1:1ローマ1:1ローマ1:7
    見出し、タイトル、挨拶文など、文書の主語にならない主格。

  • 懸垂的な主格
    日本語例)初恋の人、私はその人と結婚したいです。
    例)黙示録3:12ヨハネ7:38
    文書の主語を特定するが、文の中で代名詞を使う。この使い方は主語のアイデンティティを強調したり、感情を表す。

  • 挿入句的な主格
    例)ヨハネ1:6ヨハネ3:1

  • 呼格としての主格形
    日本語例)主よ、来てください。
    例)ヨハネ17:25ローマ1:13マルコ9:19
    コイネーギリシャ語は呼格の形が主格とかぶったりしていて、2次言語として使われてきていたところ、実際に呼格がある言葉に対しても主格形を呼格として使われた事例が多くあります。

  • その他
    主格形の単語はまれに他の使い方はまだあります。主格はデフォルトになるので、引用されたことばや、別の文脈の言葉を表したりするとき、主格じゃないはずのところに主格があることはある。このことを不思議に思われたことが多かったので、このところをなおした写本で原文相違がよく起こりました。


呼格(Vocative)の使い方


属格(または所有格、Genitive)の使い方

属格は一番ニュアンスの幅が広い。神学的な深いところはよく、見ている文書の中で、この属格の使い方を特定することにあります。これから、日本語で読んでも、「の」にこれらの事をはめてみて、より明確に著者が言いたかったのは何か、考えてみよう。例えば、2コリント5:14「キリスト愛は私たちを縛ります」でやってみよう。。。

  • 属格
    日本語例)救い
    注意)ほかの区分にはまらない時に簡単に「の」になります。また、複数の意味がはまるなら、ここに落ち着くでしょう。しかし、属格にする前に、まず良く考えるべきです。

  • 所有格
    日本語例)私本。
    ポイント)「~が所有する~」、「~に属する~」
    例)マタイ26:51ヨハネ20:281コリント1:12

  • 関係の属格
    日本語例)クリスの娘[である]セラ
    ポイント)家族の関係を表す言葉が省略されているか?「~の父、~」、「~の息子、~」、「~の妻、~」
    例)マタイ20:20ヨハネ21:15ルカ24:10

  • 部分属格
    日本語例)ピザ半分を分けてください。
    ポイント)「~の一部である~」
    例)ルカ19:8ローマ11:17
    ?)エペソ4:9

  • 形容属格
    日本語例)ハイブリッド
    ポイント)「~的な~」や「~な~」のように変えることができるかどうか。形容詞を使うより形容属格の方が強調的です。
    例)ルカ18:6ローマ8:211テモテ1:17

  • 受け身属格
    日本語例)神の力偉大さ
    ポイント)属している名詞が形容詞になれそうなら、受け身属格の可能性が高い
    例)ローマ6:41ペテロ1:7
    ?)エペソ1:17

  • 素材の属格
    日本語例)大理石カウンター、麦わら帽子
    ポイント)「~からできている~」。属している名詞は何でできているかを明確にする。
    例)マルコ2:21

  • 内容属格
    日本語例)ガスボンベ、石油タンカー
    ポイント)「~が入っている~」。中身を示す。「~で満たされた」でよく使われる。
    例)ヨハネ21:8ヨハネ6:13使徒5:17
    ?)使徒2:4

  • 同格関係の属格(また、簡単同格)
    日本語例)栄町(弊社の社長鈴木を紹介いたします)
    ポイント)「~という~」
     具体的→区分 エジプトの地
     現実的→比喩的 義の胸当て
     (簡単同格とは「~である~」)
    例)ルカ22:1ヨハネ2:21エペソ1:2
    ?)エペソ4:9

  • 方向属格、理由属格
    日本語例)上京道、サラダフォーク
    ポイント)「~に向かう~」、「~のための~」
    例)ローマ8:36ガラテヤ2:7
    ?)ヨハネ5:29使徒16:17

  • 述語属格
    日本語例)ゆきち松本万慶
    ポイント)「~と呼ばれる~」と動詞で組み合わせていることが多い。簡単同格との違いは、属している名詞について、何かを主張しています。
    例)エペソ2:20ヨハネ4:9

  • 支配属格
    日本語例)愛知知事、海賊
    ポイント)「~の上に立つ~」、権威関係を表す「の」
    例)マルコ15:32マタイ9:34
    ?)コロサイ1:15

  • 生産属格
    日本語例)日産
    ポイント)「~がつくる~」
    例)1テサロニケ1:3エペソ4:3ピリピ4:7

  • 成果属格
    日本語例)資料作成司法書士
    ポイント)「~つくる~」
    例)ローマ15:13ローマ15:33
    ?)ヘブル1:9

  • 乖離属格
    日本語例)ユーチューブ断食、牢屋釈放
    ポイント)「~から[離れる]~」。属格の一つの根本的な意味です。(与格(根本的「へ、に」)の逆)
    例)マタイ10:14エペソ2:121ペテロ4:1

  • 源の属格
    日本語例)ガス会社請求書
    ポイント)「~から出る~」や「~発の~」
    例)2コリント3:3黙示録9:11

  • 比較属格
    日本語例)その看板サイズ小さいなポスター
    ポイント)「~よりも~」。ギリシャ語の比較文は属格を用います。これも乖離属格のニュアンスの一つ。多くの場合どのような比較かを表す言葉も文章にある。
    例)マタイ6:25ヨハネ20:4
    ?)エペソ4:9

  • 主的助詞属格
    日本語例)私到着時間
    ポイント)「~が~する・した」
    例)マタイ24:27ローマ8:35
    ?)ローマ3:22エペソ3:12

  • 目的助詞属格
    日本語例)服買い物
    ポイント)「~~する・した」
    例)ルカ11:42ローマ11:34

  • 中態助詞属格?
    ?)黙示録1:1

  • 数量属格
    日本語例)1万円買い上げ
    ポイント)「~に値する~」、「~分の~」
    例)ヨハネ6:7

  • 時間属格
    日本語例)①週二日休み ②昼来客 ③子供の夢
    ポイント)①「~の内~」(時間の種類)②「~の時の中での~」(いつ?)③「~の時からの~」(期間の始まり)
    例)ルカ18:12マタイ2:14マルコ9:21

  • 場所の属格
    日本語例)名古屋のマラソン
    ポイント)「~の中での~」
    例)ルカ16:241ペテロ3:4

  • 方法の属格
    日本語例)自転車移動
    ポイント)「~による~」
    例)ピリピ2:8

  • 参考の属格
    日本語例)飛行機
    ポイント)「~についての~」
    例)ヘブル3:12マタイ21:21

  • 連合属格
    日本語例)私同僚
    ポイント)「~と共に~」
    例)エペソ2:19コロサイ4:10

  • 特定動詞の目的語の属格
    ポイント)ある動詞によっては属格を目的語として使う。
    例)マルコ5:41ルカ22:25

  • 特定形容詞の属格
    ポイント)ある形容詞や動詞は属格をとる場合がある。
    例)マタイ26:66ピリピ1:27

  • 特定名詞の属格
    ポイント)ある名詞は属格をとる場合がある。「~の間に~」が多い。
    例)使徒23:7黙示録5:6

  • 特定前置詞の属格
    ポイント)前置詞と属格の組み合わせによって、前置詞の意味が変わる場合がある。ギリシャ語の文法のテキストを確認してください。


与格(Dative)の使い方

基本的な意味は「に」に近いです。その与格の使い方は多くありますが、属格と比べて、比較的に特定しやすいです。

  • 間接目的語の与格
    日本語例)女子高生は男性に愛を告白する。彼は彼女に愛を告白される。
    ポイント)能動態だと<間接目的語>は<目的語>を受ける。受け身だと<間接目的語>は動詞のアクションをする方。
    例)ヨハネ4:10

  • 有利・不利の与格
    日本語例)
    ポイント)「~にとって有利・不利に」、「~のために」など
    例)マタイ23:31、1コリント6:13

  • 視点の与格
    日本語例)
    ポイント)「~の視点からみて」、「~において」など
    例)ローマ6:2、使徒16:5

  • 目的地の与格
    日本語例)東京に行く。
    ポイント)「~へ行く」、「~に来る」など
    例)マタイ21:5、ルカ7:12

  • 宛先の与格
    日本語例)お母さんに。
    ポイント)「~あて」
    例)使徒23:26、ピリピ1:1

  • 所有・属性与格
    日本語例)彼に多くのものがある
    ポイント)属格に文を変えれる。
    例)ヨハネ1:6、使徒2:43

  • 述語与格
    日本語例)
    ポイント)「~である~」(ειμιの分子形と使うことが多い)
    例)使徒24:24

  • 同格関係与格
    日本語例)東京に、首都に生きます。
    ポイント)同じものを繰り返す。
    例)ルカ1:47

  • 範囲・場所の与格
    日本語例)力に成長した。
    ポイント)「~の範囲・面において」、「~に関して」
    例)マタイ5:3、ルカ3:16

  • 時間の与格
    日本語例)11時に集会があります。
    ポイント)「~の時に」、「~の際に」など
    例)マタイ17:23、ガラテヤ6:9

  • 従順の与格
    日本語例)標識に従って運転します。
    ポイント)「~に沿って」、「~の定めに」、「~の通りに」など
    例)使徒14:16、ルカ6:38
    ?)ガラテヤ5:16

  • 共同(?)の与格
    日本語例)
    ポイント)「~と一緒に」
    例)エペソ2:5、2コリント6:14
    ×)ローマ8:16

  • 方法の与格
    日本語例)大胆に進みます。
    ポイント)どのように?の答え
    例)1コリント10:30、ピリピ1:18

  • 手段の与格
    日本語例)
    ポイント)「~を用いて」
    例)マタイ8:16、ヨハネ11:2、ピリピ4:6

  • 主語的の与格
    日本語例)先生に教えてもらった。
    ポイント)動詞が受け身で、実際に行動するのはこの与格名詞。新約聖書には非常にレア。
    ?)ガラテヤ5:16

  • 程度の与格
    日本語例)さらに大きいなもの
    例)マルコ10:48、ピリピ1:23

  • 原因の与格
    ポイント)「~のゆえに」
    例)ローマ4:20、ピリピ1:14

  • 同語源(同種)の与格
    日本語例)待ちに待った
    ポイント)動詞と同じ意味を持って、強調する
    例)ルカ22:15、1ペテロ1:8

  • 素材の与格
    日本語例)墨に書く
    例)ヨハネ11:2、ヘブル2:7

  • 直接目的語の与格
    日本語例)先生に感謝する
    ポイント)特定な動詞に、目的格の「~を」を使うことはなくて、与格を用いる。
    例)マタイ14:33、黙示録22:9

  • その他
    特定な言葉の組み合わせはあります。特に、前置詞と与格での特定の使い方。


目的格(Accusative)の使い方

目的格の最も多い使い方は目的語(「~を」)ですが、新約聖書より前のギリシャ語だと、使い方が一番広かった形です。コイネー・ギリシャ語の使い方を見てみよう。

  • 直接目的語の目的格
    日本語例)私はパンを食べます。
    ポイント)動詞のアクションで影響を受けるもの。「~を」

  • 与格的な目的格
    ポイント)特定の動詞は、間接目的語(だれに?の答え)も目的格で表記します。


形容詞の使い方

  • 形容詞は属する名詞と同じ【①格、②性別、③数】になります。

  • 冠詞がある場合とない場合、また順番が大切です。


ギリシャ語の冠詞と代名詞

冠詞

冠詞は新約聖書の約14万語中、約2万語あります。すなわち、7語に一つは冠詞です。冠詞は英語の「the」の由来ですが、ギリシャ語の冠詞は英語の冠詞よりも、多くの働きがあります。大きく分けると、冠詞は①何でもを「名詞化」する→②その中で場合によって、名詞化したものに対してさらに「名づける」ことや、「主格化」する機能もあって→③そして最終的に英語の「the」のように「特定」する機能もあります。特定しようとしている程度、言い換えたら、【ピントを合わせる】程度は数段階があって、焦点を当てていくことがギリシャ語の冠詞の基本的な意味を覚えましょう。

焦点) 不定?→①名詞化→②主格化→③特定

※冠詞がなくても特定である場合もありますので、ないからと言って不定ではなく、ただ、あると焦点を当てる方向性があります。

このたった24語を完全に覚えたら、聖書の1割以上だけではなく、まだ分からない単語について多くの情報が分かり、文書を解くカギになることは多くあります。ギリシャ語の冠詞は名詞の【①格、②性別、③数】と合わせます。

ギリシャ語の冠詞

ギリシャ語の冠詞

冠詞の使い方

  • 代名詞として
    例)ヨハネ4:32、使徒16:31、1コリント7:7

  • 関係代名詞として
    例)マルコ11:30

  • 属格的冠詞
    例)エペソ5:25

  • 特定する冠詞
    例)ルカ4:20

  • 前方照応の冠詞 (後方照応も)
    例)ヨハネ4:10-11

  • 直示的冠詞(「この」、「その」、「あの」)
    例)ヨハネ19:5

  • 最上級の冠詞
    例)ヨハネ1:21、黙示録1:5、ローマ1:16

  • 唯一の冠詞
    例)ヨハネ1:29

  • 知名度の冠詞
    例)マタイ13:55
    ?)使徒2:42

  • 抽象名詞との冠詞(名づける程度)
    例)マタイ7:23

  • 一般冠詞(「~を類として」)
    例)1テモテ3:2、黙示録2:11

  • 名詞化の冠詞(~のもの)
    例)コロサイ3:2、マルコ6:7、1コリント14:16

  • 文法的な機能を特定するため
    *外来語などの名詞がギリシャ語の格の形を取らない時、冠詞をつけることで、属格や与格を与えることができる
    例)ルカ1:68

  • 冠詞のない名詞?

    • 不定? 性質? 特定?

代名詞

代名詞は冠詞のように限られた数の形だけで、新約聖書の約14万語中、約16,700語にもなります。その種類は下記の通り:


ギリシャ語の動詞


 ギリシャ語 101~250語

ἔσομαι κόσμος καθώς μέν ἵνα μή χείρ εὑρίσκω ἄγγελος ὄχλος σύ ἁμαρτία ἔργον ἡμῖν ἄν δόξα ἡμᾶς πόλις βασιλεία ἔθνος τότε Παῦλος ὠνέομαι εἰσί καρδία Πέτρος ἵστημι ὑπέρ χάρις ἄλλος  εἰ τίς πορεύομαι καλέω νῦν σάρξ ἕως ἐγείρω προφήτης ἀγαπάω ἀφίημι οὐδέ λαός σῶμα πάλιν ζάω ὅστις φωνή δύο ζωή Ἰωάννης ἀποστέλλω βλέπω ἀμήν νεκρός σύν ἡμεῖς δοῦλος εἶναι βάλλω ὅταν αἰών ἀρχιερεύς θάνατος δύναμις παραδίδωμι μένω ἀπέρχομαι ζητέω ἀγάπη βασιλεύς ἐκκλησία ἴδιος κρίνω οἶκος ἐμοῦ ἀποθνήσκω ὅσος ἀλήθεια ἀνίστημι μέλλω ὅλος παρακαλέω σώζω ὥρα πῶς καλός ὅτε ψυχή ἀγαθός ἐξουσία αἴρω δεῖ ὁδός ἀλλήλων ὀφθαλμός τίθημι ἕτερος ἐάν μή τέκνον πρῶτος αἷμα ἄρτος γεννάω διδάσκω ἐκεῖ ἐμοί περιπατέω φοβέω ἐνώπιον τόπος ἔτι οἰκία πούς δικαιοσύνη εἶ εἰρήνη ἐστέ θάλασσα κάθημαι πίπτω φάγω ἀκολουθέω ἀπόλλυμι ἐμέ μηδείς τούτῳ ἑπτά οὔτε πληρόω προσέρχομαι καιρός προσεύχομαι ἄρχομαι καγώ μήτηρ ὥστε ἀναβαίνω ἕκαστος ὅπου ἐκβάλλω καταβαίνω μᾶλλον ἀπόστολος Μωσεύς δίκαιος μία πέμπω ὑπάγω στόμα ἀνοίγω βαπτίζω

 ギリシャ語 形態学

 ギリシャ語 251~500語

Ἱερουσαλήμ πονηρός σημεῖον εὐαγγέλιον μαρτυρέω πρόσωπον ὕδωρ δώδεκα κεφαλή Σίμων ἀποκτείνω χαίρω Ἀβραάμ πίνω φῶς ἱερόν τούτων αἰώνιος πῦρ αἰτέω τηρέω ἄγω ἐμός τούτου τρεῖς ὦ ἐρέω Ἰσραήλ ῥήμα σάββατον Φαρισαῖος ἐντολή ἐσθίω πιστός πλοῖον ἀπολύω καρπός μόνον πρεσβύτερος φέρω φημί εἴτε γραμματεύς δαιμόνιον ἔξω ἐρωτάω ὄρος δοκέω θέλημα θρόνος Ἱεροσόλυμα ἀγαπητός Γαλιλαία δοξάζω ἤδη κηρύσσω νύξ ᾠδή ἀσπάζομαι ἱμάτιον προσκυνέω τοῦτον Δαβίδ διδάσκαλος εὐθύς λίθος ὀπτάνομαι συνάγω χαρά θεωρέω μέσος πρῶτον τοιοῦτος δέχομαι ἐπερωτάω μηδέ συναγωγή τρίτος ἀρχή κράζω ὁράω Πιλάτος πλείων δεξιός εὐαγγελίζω Μαρία οὐχί χρόνος διό ἐλπίς ὅπως σπείρω ἐπαγγελία ἐσμέν ἔσχατος παιδίον πείθω τυφλός σοφία γλῶσσα γραφή κακός μακάριος παραβολή ἄχρι ἔτος παραλαμβάνω φανερόω χρεία ἀποδίδωμι ἔμπροσθεν ἔρημος μόνος ἁμαρτωλός κρατέω κρίσις οὐκέτι πρό προσφέρω φόβος φυλακή ἀπαγγέλλω θηρίον καθίζω οὐαί σταυρόω σωτηρία διώκω θλίψις κατοικέω ναός ὅμοιος ποῦ ὑπάρχω ἐπιγινώσκω θαυμάζω Ἰουδαία ἁμαρτάνω γενεά δεύτερος δέω διέρχομαι Ἡρώδης θεραπεύω σεαυτοῦ σπέρμα φωνέω ἀνάστασις ἐγγίζω εὐλογέω Ἰάκωβος καινός λύω μέρος πάσχω ἄξιος ἐργάζομαι οἰκοδομέω ὀλίγος πάντοτε παρίστημι σήμερον τέσσαρες τιμή χωρίς ἑτοιμάζω κλαίω λογίζομαι λοιποί μισέω μνημεῖον τέλος ἅπτομαι δικαιόω ἐπιτίθημι θύρα ἱκανός περισσεύω πλανάω πράσσω πρόβατον ἐπιθυμία εὐχαριστέω καυχάομαι πειράζω πέντε ὑποτάσσω ἄρα ἄρχων βούλομαι διάβολος διακονέω ἐμαυτοῦ μαρτυρία παραγίνομαι ἀγρός ἄρτι ἐπιστρέφω εὐθέως Ἰουδάς Ἰωσήφ ὀργή οὖς περιτομή προσευχή Σατανᾶς Φίλιππος ὥσπερ βλασφημέω μάρτυς ὀπίσω ὀφείλω ὑποστρέφω ἅπας βιβλίον διακονία καλῶς μέλος μετανοέω μήτε οἶνος πτωχός ἀρνέομαι ἀσθενέω δεικνύω διαθήκη ἐκπορεύομαι ναί ποῖος ἀκάθαρτος ἀναγινώσκω δυνατός ἐλεέω ἐχθρός ἥλιος παραγγέλλω ὑπομονή ἄνεμος ἐλπίζω ἔξεστι ἱερεύς καθαρίζω παρῥησία πλήθος πλήν ποτήριον σκότος φαίνω φυλάσσω φυλή